不動産投資は株式投資に比べて比較的リスクが低い投資と言われています。そうであれば、不動産投資に失敗しても、大損するまでにはならないのではないかと思っておられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、気を付けていなければ、不動産投資によって大損してしまう可能性は大いにあり得ます。どんなことがきっかけで、また原因で大損してしまったのか、幾人かのケースを見てみましょう。
・ケース1:設備コストが高額
高利回り物件、高額家賃を設定出来た物件で大損を経験する人によくあるケースが設備コストの問題です。高利回りや高い家賃設定を行える理由のひとつに、一般的には導入されていないような、アコンやキッチン、空気清浄機など業務用の設備機器や一点物のデザイナーズ機器を導入している場合があります。
ある意味、その設備が売りとなるので入居者は集まりますが、設備が特殊なだけに、定期的なメンテナンスのための費用、故障や取替えの費用が莫大になる場合があるのです。ビルトインタイプのエアコンの交換に1台150万円かかったという物件もあります。アパートの配管が故障し、設備の取替えだけで1,000万円の見積もりになった人もいます。
設備コストがかかりすぎることが原因で利益よりも、経費による出費がかさみ、ローンの返済途中であるにも関わらず、物件を手放すことになり大損になってしまうのです。設備が一般的なものであっても、しっかりとした修繕計画や修繕費の積立が行われていなければ同じように損失を被る原因となります。
・ケース2:前オーナーの滞納を負担
投資用の中古マンションを購入したAさん。マンション自体には問題なく運用も順調に開始したつもりでしたが、数か月後に管理会社から数十万を請求されることになったのです。
それは、前オーナーが管理費と修繕積立金を滞納していたことに原因がありました。一般的に管理費や修繕積立金に未払いがある物件は売買後、管理会社は前オーナーと新オーナーの両方に未払い分を請求することが出来ます。
そのため、物件購入時にこの事実を知らないまま購入してしまった新オーナーのAさんは、資金を取り分けても、ローンを組んでもいない予定外のお金、しかも他人の滞納分を支払うことになってしまったのです。しかし、この失敗は防ぐことも出来ました。というのも、管理会社から渡されていた調査報告書には、未払いに関して記載されていたのです。購入前に確認をしっかりしていれば、どんなに利回りの良い物件でも、無駄な出費があるこの物件の購入を見送ることが出来たのです。
また、新築物件であれば前オーナーの問題に巻き込まれることはなかったでしょう。物件選びや、書類の確認の重要性が分かります。
・ケース3:税金対策のはずが税金に追われる
相続税対策など税金対策として不動産を所有し運営しようとする人がいます。しかし、節税になるという目的で不動産投資を始めた人の中には、税金の仕組みを把握していなかったために、その税金の支払いに追われ物件を手放し借金をかかえることになった人がいます。
不動産投資で税金対策が行えるというより、不動産投資を行っていく中で節税が出来るというのでは、意味が違います。税金のしくみと対策方法を理解していなければ、税金の滞納や借金を抱えることになります。
・まとめ
株式投資のように、数日間、数時間で大損するようなリスクはないとしても、不動産投資も失敗すると借金を抱えるような損失を招くことがあります。しかし、上記のケースからも分かるように不動産投資に起こり得るリスクを知っておくことや、確認、良い計画を行うことで防げることはいくつもあります。
ハイリスクでもハイリターンだから投資は面白いという人もいますが、リスクをおさえられるのであれば出来るだけ対策を行い、必要のない負債をかかえることやスリルを味わう必要はないかもしれませんね。