「不動産投資は儲かる!」「誰でも簡単にはじめられる!」という話を聞いたことがあるかもしれません。確かに間違いではありません。
しかし、いくつの成功事例を知っていますか?反対にどれだけの失敗事例を知っているでしょうか?不動産投資を始める時には、成功事例だけでなく失敗事例も確認して目を背けてはいけません。事前に失敗事例から学んでおきましょう。
・利回りのみを評価した失敗
高利回り物件と言われるものは沢山あり数字だけに踊らされて購入してしまうと失敗してしまう可能性が高くなります。不動産投資の利回りには、「実質利回り」と「表面利回り」の2種類あります。
高利回り物件として売り出しているものは、大抵は表面利回りのことで、投資額(投資不動産購入額)に対する年間総収入(家賃収入)の割合のみを指しています。その中には不動産運営にかかる必要経費や空室状況は計算内に含まれていません。それを理解しないままに高利回り物件だからという数字のみで判断してしまい購入してしまった人がいます。
しかし実際には、メンテナンス費や修繕費、様々な経費が発生し、表面利回りと実質利回りの差が大きい物件だったようです。その結果、収入を上回る出費になってしまった人や、空室が長く続いてしまったことや、入居者の家賃滞納が原因で予定していた収益を生み出せなくなりローンが支払えなくなった人もいます。
・立地環境の変化による失敗
不動産投資は立地環境にかなり左右されるものです。市場調査がしっかり行われていなかったために入居者が集まらず、収入が得られないという基本的な問題ともいえる失敗もありますが、市場調査を行っていたにも関わらず失敗する場合もあります。それは、あてにしていた賃貸需要の変化というものがあります。例えば、大学がある地域に学生向けの、また工場のある地域にそこで働いている人向けに賃貸物件を購入したとします。しかし、工場の閉鎖や大学の移転によって一気に入居者を失うことになったのです。どこか特定の需要のみをあてにしていると、その変化に大きく影響されてしまいます。大学の移動は最近特に増えており、大学跡地付近の賃貸物件の空室率は目立っています。特定の需要に頼る危険性や、数年後の地域の変化を調査、想定されていなかったことの問題点が学べます。
・ローンの組み方による失敗
投資資金がすでに手元にある場合は問題ありあせんが、不動産投資では初期投資が高額になる場合があります。そのため、投資の際にローンをかかえることが一般的ですが、ローンの組み方は重要です。出来るだけ早く返済したいからと、無理な返済計画を立ててしまった人もいます。
安定した収入がある時期は問題ないかもしれませんが、常に満室とは限らず、ローンの支払いに追われる人もいます。また金利が上昇していくタイミングで修繕が必要な時期と重なり、更なる出費に追われてしまったという人もいます。
・まとめ
不動産投資には失敗事例だけでなく成功事例も沢山あります。不動産屋や建設会社はその成功事例を見せるので、不動産投資の良さをだけが目立ち、儲かる投資だと思うかもしれません。
その話を聞き成功事例にのみ目を向けてしまったことで、不動産投資に失敗した人が沢山います。不動産投資はリスクを理解せずに行えるほど、簡単なものではありません。失敗事例にも目を向けましょう。
投資には向き不向きもあります。不動産投資の失敗と成功のどちらの面も確認して良い計画が出来るか、対策がなされているか確認して始めるようにしましょう。