はじめに
利回りは不動産投資において非常に重要な指標です。
この記事では、その理想および最低ラインなどについて考えてみたいと思います。
理想と最低ライン
ひとくちに不動産投資といっても、そのスタイルはさまざまです。
規模という切り口で見れば、大きなところはマンションの1棟投資から、小さいところはワンルームマンションの区分投資(部屋単位で購入)まで色々な形態があります。
さらに、新築か中古かで分けることもできます。
これらの組み合わせで考えるだけでも、複数のパターンができてしまうのです。
もちろん、利回りの理想と最低ラインもそれぞれのパターンによって異なってくるはずです。
したがって、一概にその数字を示すことはできません。
紙幅の都合上、ここでは特に高い人気を誇っている新築のアパート投資に限定して考えてみることにします。
この場合、理想の利回りは8~10%(表面利回りの場合)というところでしょう。
一方、最低ラインは5%前後というのが妥当な数字かと思われます。
なお、この数字は大まかな目安であり、地域的な事情などによっても多少前後します。
一般的に東京をはじめとする大都市ではやや低め、地方にいくとやや高めという傾向があります。
高ければいいのか?
ここまで利回りの理想と最低ラインについて見てきましたが、ときにはこれよりもかなり高い数字を見かけることもあります。
そのような事例は優良物件と判断してよいのでしょうか?
たしかに、利回りが高いということは、それだけ多くのリターンが期待できるということです。
したがって、その数字が高ければ魅力的な物件に見えたとしても不思議ではありません。
しかし、現実にはそうでないことも珍しくありません。利回りが高い場合によくあるのは物件がリスキーなケースです。
大きなリスク要因を抱える物件の場合、どうしても価格が安くなりがちです。
利回りは年間のリターンを物件価格で割って算出しますので、分母が小さく(安く)なれば必然的にその数字は高くなります。
リスキーな物件を購入した場合に最も懸念されるのは集客の問題です。
いくら机上の利回りが高くても入居者が集まらず収入が入ってこなければ絵に描いた餅に終わってしまいます。
そうなってしまっては何の意味もありません。
したがって、利回りは高ければ高いほどよいとはいえない点には注意が必要です。
最後に
先ほど、利回りが高ければ高いほどよいとは限らないということを述べました。
しかし、必ず「利回りが高い=リスキーな物件」かといえば、そういうわけでもありません。
中には優良物件でありながら何らかの事情で売主側が早く処分したいと考えており、そのため安い価格設定となっているケースもあるからです。
こういった物件はむしろ掘り出し物の可能性が高いと考えられるでしょう。
つまり、利回りの高さだけでは物件の優劣を判断することはできないのです。
それを判断するには利回り以外の情報についても自身の目で確かめてみることが大切になってきます。