はじめに
コロナ禍においても比較的堅実な人気を見せている不動産投資。
不動産投資という言葉を使うと硬く聞こえるかもしれませんが、言い方を替えると賃貸経営のことです。
不動産投資は、どんな状況であっても人間の生活に欠かせない衣食住のうち、住の部分と密接に関係しているのですから、人気が落ちないのも不思議ではないのかもしれません。
ところで、不動産投資において非常に重要かつメジャーな指標として知られるのが「利回り」というもの。
今回の記事では不動産投資における利回りの考え方について見ていきたいと思います。
不動産投資における利回りの考え方
不動産投資における利回りにはいくつかの種類が存在していますが、最も一般的なものは物件の購入価格に対して年間に得られる家賃収入の割合のことを指します。
これは表面利回りあるいはグロス利回りなどと呼ばれる指標で、不動産会社の広告などに掲載されている数字はほとんどの場合この利回りです。
しかし、この利回りにはいくつか注意しておかなければならない点があります。
計算に入っていないものがある
広告などに載っている利回りの中には、計算に含まれていないものがあります。
まずは費用。
ものすごく当たり前の話ですが、賃貸経営は物件を買ってしまえば、それで出費が終わりになるわけではありません。
管理や修繕、保険料などさまざまな経費が必要になります。
しかし、ほとんどの場合、広告に載っている数字の中にはこれらの経費がまったく含まれていません。
それに広告に載っている数字は、すべての部屋に入居者が入っていることが前提になっています。
ですが、実際に賃貸経営を始めてみると、すべての部屋が埋まるということはそれほど多くはありません。
多少の空室は発生するのがふつうです。
したがって、広告に載っている数字通りの利益が得られることはまずありません。
数字は最初がMAX
一般的に物件が古くなっていくと、家賃は下がっていきます。
したがって、年数が経過していくにつれて利回りも下がっていくことになります。
つまり、利回りは一番初めが一番高く、そしてその数字はいつまでも続くわけではないということです。
また、物件が古くなると空室が生じやすくなったり、修繕費などの費用がかさみやすくなったりする点にも注意が必要です。
まとめ
ここまで見てきたように、不動産投資における利回りは非常に重要な指標である一方で、その数字を見るときには注意しておかなければならない点もあります。
あまりにも利回りばかりを重視し過ぎていると、思わぬ落とし穴にはまってしまい、投資がうまくいかない可能性も考えられます。
投資物件を選定する際には、利回りだけで決めるのではなく、他の要因も合わせて総合的に検討することが重要であるといえるでしょう。