はじめに
不動産投資では、不動産会社の広告などに載っている利回りから投資物件を選び、実際の投資をスタートしようとするケースが多いかもしれません。
しかし、広告に載っている利回りの通りにお金が手元に残るわけではありません。
掲載されている利回り計算に含まれていないさまざまな経費が発生しますし、ローン返済もあるからです。
つまり、広告の利回りだけを見てもうかると信じ投資を行っても、思わぬ出費が次から次へと発生し、その結果投資が失敗してしまう可能性も十分にあるということです。
なんとかこのような事態を防ぐ方法はないものでしょうか?
実はあります。
必ずとは言えないにしても、そのような事態になるリスクを大幅に減らすことは可能かもしれません。
目標家賃収入から希望利回りを設定する方法の紹介
今回お伝えするのは、ローン返済額や各種の経費などもあらかじめ十分に考慮に入れて目標家賃を設定し、そこから希望の利回りを算出する方法です。
手順としては、まずローンの返済条件を明らかにすることから始めます。
具体的には、借りられる額・利息・借りられる期間といった細かな部分をできるだけはっきりと把握できるようにします。
この部分は机上の計算だけでは把握することが難しいかもしれません。
ですので、金融機関を回ってできるだけ実際に近い数字を知る必要があります。
ただ、手ぶらで行っても金融機関側も詳しい話を進めにくいでしょう。
だいたいでかまいませんので、自分が投資したいとイメージする内容に近い物件の情報などを参考資料として持って行くようにしましょう。
また、こうすることで金融機関とのパイプ作りにもなり、より有利な条件を引き出せる可能性も生まれてきます。
この作業が終われば、実際に投資をスタートさせてから毎月どれくらいの額を返済していくかということが見えてくるはずです。
次は、年間家賃収入のうちどれくらいの額を返済に充てるか、すなわち返済比率を考えることになりますが、一般的には50%以下が安全の目安とされています。
返済額と返済比率が把握できれば、自ずと目標とする家賃収入は決まってきますよね。
このとき、投資を行っていく上では修繕費や管理費など各種の経費も発生しますので、収入の4割くらいはそれらの経費に消えると見込んでおきましょう。
また、空室が発生する可能性も考慮しておく必要があります。
それらの要因も加味した上で設定した「年間の目標家賃収入」を予想される「物件の価格および購入時の諸費用(目安は物件価格の7%)の合計」で割れば、希望する利回りをはじき出すことができます。
最後に
上記のような方法で希望利回りを算出することができれば、あとはそれを実現できる物件を探していけばいいだけです。
このようにすれば、物件を探す際の目安がかなりはっきりとしますし、事前の計算(シミュレーション)も十分に行った上での投資となりますので、成功する確率をアップさせることができるようになります。