はじめに
不動産投資家の皆さん、「ESG」について見聞きしたことはありますか?
なんでも世界ではすでにESGが広く認知され、世界全体の投資額ではなんと33.4%を占めるまでになっているというのです。
「ESGってなに?」
それは”新しい時代”の投資のあり方。
今回はESGについて不動産ニュースをお届けしたいと思います。
ESG投資?
ESG投資とは、
・環境(Environment)
・社会(Social)
・企業統治(Governance)
の頭文字です。
その3要素について優れた企業などに対する投資を意味します。
冒頭の通り、近年ではこれらの要因を考慮して投資をする「ESG投資」の考え方が世界的に広がっています。
その背景には、地球温暖化などによる気候変動や資源枯渇といった環境問題があります。
国連によると、世界の温室効果ガスの1/3は建物によるものだといいます。
また売上・利益・キャッシュフローといった財務情報を最重視し、短期的な利益を求めることに偏重してきました。加えて不透明なガバナンスにより、リーマンショックのような事態を招いた反省もこめられています。
つまり、持続可能な発展・成長を促す意向があるのです。
ESGが不動産投資にどう影響する?
健康や快適性に配慮され利便性が良いこと、災害対策を含むセキュリティがしっかり行われ、安全性に優れていることなどがあげられています。
そのような物件で入居者も安心でき、長く利益を生む物件になることは想像に難くないでしょう。
つまり中長期にわたって収益を得られる可能性が高く、不動産の物件価値を高められるのです。
もちろん、利回りなどの「収益性」は不動産投資にとって大切です。
しかし、非財務情報であるESGの要素を不動産評価にも加味し、ESG評価の高い物件が市場でも資産価値が高く取引される時代になることが予想されます。
投資家においても安定した投資対象として高く評価、日本でのESG投資額は2012年においてはESG投資割合が0.2%でしたが、2016年に3.4%、2018年は18.3%までに急成長しています。
最後に
ESG投資での主な対象は現在、オフィスビルとなっています。
しかし将来的にESGの波は、アパートやマンションなどの賃貸物件まで及んでくる可能性があります。
ESGが賃貸物件の不動産評価にも影響するとなれば、アパートローンの融資などにも影響を与えるでしょう。
アパートローン審査では、勤務先や年収などの属性以外にも物件自体の「担保評価」が大きくなるでしょう。
ESGへの配慮がある物件が、アパートローンが通りやすくなる可能性があるのです。
従来の売上や利益といった指標だけではなく、環境や社会への貢献度を重視するESG投資は今後、資産運用において重要なものとなってくることは違いありません。