アパートを建築するうえで、選択できるテイストはいくつもあります。和風でしょうか?洋風でしょうか?それとも、北欧風・南欧風でしょうか?とりあえず枠組みを作ってから内装材・外装材の時に考えればいいかな・・・
と思っておられる方もおられるかおしれませんが、和風と洋風には造りにも違いがあるのをご存知でしょうか?
・内装材だけの違いではない!?
和風アパートと洋風アパートの違いは何で判断できるでしょうか?勿論、内装材の色やデザインから判断出来ますし、印象もそれらによって大きく左右されています。しかし他にもあります。大壁か真壁かという点です。簡単に言うと室内で柱や梁が見えるか見えないかという違いです。
柱の内側で壁を仕上げるか、外側にボードを貼って仕上げるかによって違いが出ます。柱を見せる工法が真壁と言い、日本の伝統的な壁工法のひとつで和室や神社仏閣、和風住宅に用いられています。それに対し、柱を見せない大壁という工法は、洋風のものをはじめ、最近は大抵の建物がこの壁工法を採用しています。
そのため、柱が見える真壁なら和風、見えない大壁なら洋風というように、壁の造りによってもスタイルを変えることが出来るのです。
・アパートを和風で建築するのは時代遅れ?
アパートオーナーであれば、やはり人気のあるスタイルで建築したいと思うのは当然だと思います。和風か洋風かで考えると洋風の方が人気を集めています。
どうしても和風アパートというと古いイメージが付いてしまっている人が多いようです。しかし、和風だから時代遅れ、人気が無いというわけではありません。自宅の一部屋は和室が良いとこだわる人も多いですし、最近は古民家風やレトロスタイルも人気があるため、あえて室内を和風にコーディネートする人も多くいます。
その点で、洋風アパートでは再現し辛い和風の柱が見える真壁の造りや塗り壁は、和風のインテリアに一層統一感を出してくれます。真壁という造りの点では和風に関係なくナチュラルテイスト、北欧・南欧テイストを好む人の間でも、柱のある空間をつくるためにあえて角材を壁側に建てたり付張り、付柱を貼ったり、木のデザインが印刷されたリメイクシートを壁に貼って柱に見せる人もいるほどで、柱を見せない大壁による洋風の造りが良いとも限らないようです。
・まとめ
アパートを建築する際には、内装材の種類やデザインだけでなく、大壁か真壁かといった壁の工法によっても和風や洋風の違いを出せます。もし真壁の造りを時代遅れ、人気がないと思って却下しようと思っているのであれば、再検討してみるのも良いかもしれません。
真壁による和風の造りは古民家風やレトロテイストを好む人の間で人気を集めていますし、柱が見える造りによって自然素材を使ったナチュラルテイストとしても部屋をコーディネートできます。デザインにこだわりのある人達であれば、長く住んでもらえる可能性も高まりアパートオーナーにとってはメリットもありますよね。
しかし大壁か真壁かでコストや断熱性の違いも出るため、和風か洋風かといったスタイル以外の点も検討して選択することをおススメします。