はじめに
親から引き継いだり、中古物件を購入したりしてアパート経営に取り組まれている人は大勢いるかと思います。
そして、中には経営が上手くいかず起爆剤としてオーダーメイドアパートへの切り替えを考えている人もいるのではないでしょうか?
入居者が自由に部屋を造り変えることができる一種のリノベーションではありますが、どんなアパートにもできる方法というわけではありません。
アパートにはこのようなリノベーションに向いている造りがあるのです。
造りは主に2つ
アパートの造りとなると「木造」や「鉄骨造」を思い浮かべるでしょう。
この表記は木材や鉄骨でできていることを意味し、素材の話になります。
しかし、ここで話すのはそれではなく「構造」の方の造りです。
そして、アパートを建築するうえでは主に2つの構造があります。
1つが軸組構造またはラーメン構造と呼ばれる造りで、柱と梁で建物を支えます。
大工さんが造る戸建住宅をイメージすると分かりやすいでしょう。
木造、鉄骨造のアパートでも用いられています。
もう1つが壁式構造です。
こちらは壁や床といった面で建物を支えます。
木造のツーバイフォーや鉄骨造のパネル工法などがこれに該当します。
壁式だと厳しい
もし、あなたの所有するアパートが壁式構造だとするならオーダーメイドアパートとして売り出すのは厳しいと言えるでしょう。
先ほども話しましたが、壁式構造は壁や床が建物を支えています。
つまり、安易に壁を抜いて「2部屋を1部屋に」なんてことはできないのです。
どうしても構造上壊すことのできない壁が存在してしまいます。
その点、ラーメン構造だと柱や梁で建物を支えているので壁を抜いたところで大きな問題にはなりません。
むしろ、それが「間取りを自由に変えられる」というメリットとして働きます。
入居者が部屋を自由にアレンジできるオーダーメイドアパートを望むのなら、造りはラーメン構造を選ぶべきでしょう。
ですから、中古物件をそのようにしたい場合は購入前に売主やハウスメーカーから物件がどのような造りなっているか確認し、購入の判断材料にしてください。
まとめ
オーダーメイドアパートに限らずアパートをリノベーションする際は、その構造によってできることが限られてきます。
なので、希望することが本当に可能なのか検討する必要があります。
ただ、1、2社にだけ話を聞いてあきらめるようなことはしないでください。
会社ごとに得意・不得意がありますので、複数から話を聞いてからじっくり検討することをおすすめします。
これは土地にイチからアパートを建築する際も同様です。
もし、将来リノベーションをする前提でアパート経営をするのなら、その造りも注目して運営を考えましょう。