アパート経営者としてこだわって建てたオーダーメイドアパートであれば特に、大事に経営し利益を生み出すこの不動産を親族に相続したいと思うことでしょう。
しかし、相続したものの相続者にとって税金が負担になる場合もあります。価値ある財産を残しつつも、出来る限り税金の負担を軽くするためには、どんな方法が効果的なのでしょうか?ご紹介したいと思います。
・相続よりも贈与の方がメリット大!
オーダーメイドアパートを財産として配偶者や子供に残す方法は、亡くなって相続として残す方法だけではありません。アパート経営者が生きているうちに財産を贈与するという方法があります。相続の場合は相続税が、生前贈与の場合は贈与税が、どちらの場合も税金がかかりますが、同じアパートを残すにしても節税効果は異なっています。
相続税と贈与税の税率のみを単純に比較すると、相続税の方が低いためお得に感じますが、贈与には特例や軽減措置があること、不動産という財産の種類をふまえると生前贈与の方が節税効果は高くなります。
例えば、贈与税の算出は贈与した時点の財産価値を基に計算されます。土地は路面価値で、アパートは固定資産税評価額で評価されるのです。アパートを遺産相続するなら、土地とアパートの相続分にプラス、家賃収入など今までアパート経営で得た財産も相続することになり、両方に相続税が掛かります。
しかし、生前贈与の場合は相続する財産である土地とアパートの評価額に対してのみに贈与税が掛かるだけで、贈与するアパートが家賃収入によってどれだけ利益をもたらすかは考慮されていません。生前贈与の方が課税される財産が少ない分、節税となるのです。
・相続時精算課税制度で更に節税!
相続時には相続時精算課税制度を利用することで、2,500万円までは無税で贈与する特別控除を受けることが可能です。2,500万円を超えた額に関しては、一律20%の税金がかかることになります。この制度を利用して、アパートと敷地を別のタイミングで贈与することで更にメリットを得ることも出来ます。
アパートだけの贈与であれば2,500万円以下の場合は特に、特別控除によって贈与税を納めなくてよくなるので、アパートだけ先に贈与することも効果的です。アパートを贈与された側は、土地を贈与されていなくても物件を利用して不動産経営が行えます。土地に関しては、地代家賃を支払わなくても相続するまで税金がかからないので、相続人は無税で家賃収入が得られますし、被相続人も地代家賃の収入によって財産が増えて所得税、さらには相続時の相続税をアップさせるという問題も避けられます。
・生前贈与で所得税も節税に!
生前贈与が節税になるのは、相続者だけではありません。現在アパートを経営している被相続人にとっても節税となります。というのは、アパートを贈与することで、物件だけでなく今後家賃収入から得られる利益の権利を既に贈与していることになるので、被相続人の所得が減少することになるので所得税の節税になります。また、所得を分散して被相続人の財産が増えていくことを避けることは、結果として相続税対策ともなります。
・まとめ
オーダーメイドアパートは特に経営者にとってこだわりが詰まった物件かと思います。こだわって建築し、利益を生み出せている物件だからこそ、引き続き最大限に利益を生み出す方法で遺族に相続したいものです。そのためには、遺産相続で贈与税がかかるより、生前贈与で贈与税を納める方が節税になります。
家賃収入による所得も分散できるため、アパート経営者にとっても所得税の節税となり結果として相続税対策ともなります。アパートと土地をどのタイミングで贈与することが相互にとってベストなのか、税金の仕組みや物件の価値、時期などをよく検討したうえで相続について考えることをおススメします。