はじめに
あるうわさ話によると、相続で最も揉めるのはほどほどに遺産があるケースなのだとか。
かなりの資産家であれば、あらかじめ遺産をどのように相続させるかきっちりと決めているケースが多く、また逆に資産がない場合には相続させるものもないのでそれほど揉めることもないのだそうです。
そのうわさの真偽のほどはわかりませんが、いずれにしても遺産相続で揉めることだけは回避したいですよね。
ところで、遺産にもいろんな形態があります。
現金・有価証券・不動産などなど。
中には賃貸物件が含まれているケースもあることでしょう。
そこで今回は、親からアパートを相続する場合の手続きについて説明することにします。
親のアパートを相続した場合の手続き
以下のような順序で手続きを進めていくと、比較的スムーズに処理を進めることができます。
借入れ残高を確認する
アパートを建てる場合、ほとんどのケースでは金融機関から融資を受けているはずです。
まずは、その借入れが残っているかどうかを確認しましょう。
まだ残高がある場合は、遺産を分け合うときの話し合いや、アパートの今後をどうするか決めるときに重要な判断材料となりますので、きっちりとその額を把握しておきましょう。
遺産分割協議
誰がどの遺産をどのくらい受け取るかを決めます。
借入れ金が残っている場合、アパートを誰が受け継ぐかが決まったら、その時点で金融機関のほうに連絡をしておきましょう。
登記
アパートの名義を変更します。
この手続きをせず長期間放置していると次の相続が起きてしまい、身動きがとりづらい状況になってしまうこともあります。
誰がアパートを受け継ぐかが決まったら、できるだけ早めに手続きを行いましょう。
今後の方針を決める
そのアパートをどうしていくかを考えます。
比較的築年数が新しく、それなりの収益が見込めるようであれば、何も手を加えずにそのまま経営を続けていくという選択肢もあります。
ただし、この場合でもそのアパートに住んでいる人には、オーナーが変わったことを連絡するようにしましょう。
ある程度築年数が経ってはいるものの、何らかのテコ入れをすれば収益化が見込める場合もあるでしょう。
そのようなケースでのテコ入れ策としてはリフォームあるいはリノベーションといった手段が考えられます。
なお、ひと口にリフォームといっても、業者にはそれぞれ得手不得手があります。
アパートのリフォームをしたことがない業者に依頼してしまうと、効果的なリフォーム・リノベーションは難しくなるかもしれません。
アパート建築やアパートのリフォーム・リノベーションに豊富な実績を持つ業者を選ぶようにしましょう。
また、経営を続行せず、土地や建物も処分したいと思うのであれば、売却するということになります。
この場合は、まずインターネットなどで複数の業者に机上査定を依頼し、その中からいくつかの業者をピックアップして詳細な査定をしてもらうというのが一般的な流れです。
ただし、買い主との間では価格交渉があるのがふつうなので、査定価格そのままで売れるとは限らない点には注意が必要です。