はじめに
コロナウィルスの影響は、観光業や飲食業を中心に様々な業界に影響を及ぼしています。
不動産についてもオフィスや店舗が退去してしまい賃貸経営が難しくなる、入居者の収入が減り家賃を減額せざるを得ないなど、アパート・店舗経営共に苦しい状況になっています。
今回は「アパート経営に持続化給付金は利用できる?」というテーマで不動産経営に活用できる制度についてご紹介していこうと思います。
2つの給付金制度の違い
まず、賃貸経営をしているオーナーさんが活用できそうな制度は「家賃支援給付金」と「持続化給付金」の2種類があります。
名前だけだと両方活用できるように感じますが、家賃支援給付金はオフィスや店舗などを運営している事業者に充てられる給付金です。
不動産オーナーには直接関係があるわけではないので、家賃支援給付金の説明については省略して持続化給付金をメインに説明していこうと思います。
この制度は、個人事業主は上限100万円まで、法人の場合は200万円まで給付金が支払われます。
2020年1月~12月の期間中、売上が下がった月と前年の同じ月の売上を比較し50%以下まで売上が下がっていることが条件になります。
注意点として、個人事業主として事業所得の申請を行っていない個人でアパートの家主をしている方は家賃収入が「不動産所得」になるため、この給付金は対象外と判断されてしまいます。
個人でもフリーランスや法人として事業所得の申請を行っている場合は売上が下がっていると判断されるため持続化給付金の対象になります。
給付金に申請申し込みをするには基本的にネットで行いますが、ネット利用が難しい方は申請サポート会場で補助員のサポートを受けながら申請することが可能です。
コロナ関連の融資や制度は?
では、上記の制度以外に受けられる政策や融資、税金対策はあるのでしょうか?
政府・民間問わず活用できる政策や制度をいくつかご紹介します。
融資制度
融資制度は大きく分けて民間金融機関が行っている融資制度、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫の3つです。
持続化給付金と同様に「前年の売上と比較して何%減少しているか」がそれぞれ条件として設定されています。
コロナ関連の融資は元本返済の据え置き期間が長めに設定されていることが多いです。しかし、不動産賃貸業を行っている方の多くは物件を取得するためローンを組んで返済しているので、さらに借り入れをするのは厳しい場合もあると思います。
現在の状況でどの融資が受けられるのか等、取引している金融機関や税理士と相談しながら決めていきましょう。
税金の支払い期限延長に関する制度
アパート経営をしている大家さんはもちろん、個人・法人問わず活用できる納税の猶予制度があります。
この制度は最長1年納税の猶予を認める制度で、法人税や源泉所得税など国の納税、事業税や固定資産税など地方税の納税、厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料の給付猶予制度の3つが挙げられます。
国税については最寄りの税務署で、地方税については自治体で、年金や社会保険料については最寄りの年金事務所で手続きを行います。
手続き先が違うだけで条件は同じです。
つまり
・一括で納税や給付ができない
・今年の2月以降、収入が前年より20%以上減っている
の2点が条件になります。