はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大により、特に観光業・接客業の職に就いている方の離職や解雇といった社会問題が発生しました。
第一波は落ち着きをみせ、収束に思えたものの、現在、東京都心を中心として第二波となる感染拡大が確認されています。
失業に追い込まれて家賃が払えず実家に帰る借主も少なからずいることでしょう。
オーナー様においては、空室が出れば収入が減ってしまいますからアパートローンの返済に頭を悩ませている方もいるかもしれません。
そんな方のために、このコロナ禍でアパートローンの返済に困ったときに取れる手段を考えてみました。
まずは銀行に相談!
アパートローンの返済が困難な方は、まず融資先である銀行に相談しましょう。
新型コロナウイルス感染拡大による影響で、返済に困っている方からの相談窓口を設けている銀行は多く、返済条件の変更手数料が一部無料といった支援もあります。
ちなみに投資物件とは別に、自宅の住宅ローンに「フラット35」を利用している方は、住宅金融支援機構の返済方法変更を確認することをお勧めします。
返済期間の延長、一定期間の返済額の減額、ボーナス返済分の取り止めなど、いくつかのプランが用意されているので、ぜひ目を通して見てください。
政府の支援策
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、事業などに係る収入に相応の減少があった場合、税金の猶予や減免などの支援策が出されています。
最大1年間の国税納付猶予!
「新型コロナ税特法第3条」により、税務署に申請することで1年間、国税納付の猶予ができます。担保不要・延滞税も免除されます。
対象は、令和2年2月1日~令和3年1月31日までに納付期限が来る「ほぼ全ての税目」が猶予できます。
条件は個人法人・規模など問われませんが、以下の2つを満たす必要があります。
・ 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、令和2年2月以降の任意期間(1ヵ月)に、「事業等に係る収入」が前年同期に比べておおむね20%以上減少していること
・国税を一時に納付することが困難であること
固定資産税等の軽減、固定資産税の特例の拡充・延長
中小企業・中小規模事業者が所有し、令和3年度の「事業に用いる家屋(建物)及び償却資産(設備等)の固定資産税及び都市計画税」を、収入の減少幅に応じて全額免除、または1/2と減額できます。
まず、令和2年2月~10月のなかで連続する3ヵ月のうち、任意の期間を選択します。
前年同期と比較し、収入の減少と軽減される割合は以下のようになります。
・30%以上50%未満減少した場合は1/2に軽減
・50%以上減少した場合は全額免除
また、新しく投資した設備については、自治体の条例に沿い、投資後3年間にわたって固定資産税が減免されます。
この適用対象に「事業用家屋と構築物」が追加されました(門・塀・看板・広告塔・受変電設備など)。令和3年3月末までとなっている適用期限も「2年間延長」されます。
さいごに
政府は「持続化給付金」や「家賃支援給付金」など、コロナ禍での支援策を次々と打ち出してきています。しかし、個人で不動産賃貸業を行われている方はこれらの対象になりにくいです。
特に持続化給付金については、法人で不動産賃貸業を行っている場合は対象になりますが、個人での場合、給付の対象外になります。
「これは不公平だ!」との批判の声が出ていて内容自体についても見直しがされてきているので、今後の動向にも注視したいところです。