はじめに
亡くなった方の残した財産は、そのときの時価で計算する必要があります。
現金や預貯金・有価証券などは、そのときの時価がわかりやすい財産です。
しかし財産の中で大きな割合を示す不動産の時価を求めるには、どうすれば良いのでしょうか?
この記事では、相続する建物の評価額について紹介していきたいと思います。
建物評価額を確認するには?
さて、相続した不動産は、どのようにして評価額を確認するのでしょうか?
まさか、そのためだけに不動産を売りに出すわけにもいきません。
国税庁では、財産評価基本通達という共通したルールを提示しています。
しかし、実はもっと簡単に知る方法があります。
固定資産をお持ちの方には、毎年住所地の市区町村から「固定資産税納付通知書」が届いていると思います。この通知書には、固定資産税の評価額が記載されていて、それがそのまま建物の評価額となります。
ケースごとの評価額について
先に挙げたのは建物の固定資産税評価額でしたが、その建物がマンションや貸家のときはどうなるでしょうか?
アパート・マンションの場合
アパート・マンションの場合は、通知書に記載された固定資産税評価額が非常に大きくなっている場合があります。
これは1棟全ての評価額になっているためです。
この中から部屋ごとの評価額を割り出すには、この項目の隣「課税標準額」という項目を見てみましょう。
そこに記載された金額が部屋ごとの固定資産税評価額になります。
貸家の場合
建物を所有していても第三者に貸している場合もあります。
そういった場合はどうなるのでしょうか?
貸家に関しては、なんと固定資産税評価額から30%をオフして良いことになっています。
貸家は、自宅用の家屋よりも、いろいろな制約や売却リスクがあるため、それを考慮して固定資産税が割安になるという仕組みです。
ちなみに、家賃をとっている貸家だけでなく、無償で貸している場合も30%オフは変わらず行うことができます。
借家権の割合について
「何を根拠に借家だと30%オフになるのだろうか?」と、気になる方もいらっしゃるかも知れません。
これは、借家権割合という各地方自治体で定めた割合となります。
自治体ごとにばらつきはありますが、多くのところで30%となっています。
ちなみに令和3年度はすべての自治体で借家権の割合が30%になっているようです。
まとめ
今回は、建物を相続する場合の評価額について紹介しました。
土地の場合は、きちんと計算する必要がありますが、建物に関しては「固定資産税納付通知書」を見るなど、簡単に確認することができます。
こういった知識を知っていることも大事ですね。