はじめに
相続税の申告と納付期限は、10ヶ月と民法で決められ、守れなかったときのリスクや、デメリットもあります。
その内容とはどういったものでしょうか?
また対策はあるのでしょうか?
この記事では、これらの疑問にお応えすべく、相続期限10ヶ月を過ぎたときのデメリットやこれを負わないための対策について紹介していきたいと思います。
10ヶ月過ぎてしまったときのデメリット
相続の手続きを行うためには、たくさんの書類を用意しなくてはなりません。また相続人が集まって決めるべきことなどもあります。
そのため通常でも期限ぎりぎりというケースも少なくないようです。
しかしだからといって税務省が期限を待ってくれるわけではありません。
期限を過ぎてしまった場合、2つの税金が課せられてしまいます。
無申告加算税
これは、税務調査を受ける前に自主的に申告した場合、期限から1ヶ月以内であれば加算税はかかりません。
しかし申告がそれ以降になった場合は5%の加算税が課せられます。
また、税務調査が入った後の納付では、その3倍の15%が課税されることになります。
延滞税
こちらは、納付期限の次の日から納付日まで間利息が課税されます。
また「申告は期限を守ったが納税が遅れてしまっている」という場合にも、延滞税は発生しますのでご注意ください。
上に挙げた税金は期限内なら本来払わなくてもいい税金です。
むだな手間とお金・時間をかけないためにも期限はしっかり意識しておきましょう。
控除や特例まで使えなくなる
通常相続税を計算するときは、相続税を安くすることができる特例制度を利用できます。
その中には1億6,000万円も控除される配偶者控除や、50~80%もの控除が見込める小規模宅地等の特例などがあります。
しかし、相続税の納付期限の10ヶ月を過ぎてしまうと、これらの特例が一切使えなくなってしまいます。
特例を使うためには、遺言書か遺産分割協議書を添えて申請書を提出する必要があるためです。
また、遺産分割協議書がないと、相続財産自体が受け取れないという自体にもなりかねません。
そういった自体を避けるためにも、相続期限までにきちんと相続税の申告・納付手続きを行いましょう。
まとめ
今回は、相続期限の10ヶ月が過ぎてしまった場合のデメリットを紹介しました。
このように相続の申告・納税の期限が過ぎてしまうと、払わなくてもよい税金が加算され、使えるはずの特例が使えないといったデメリットが想定されます。
特に相続人の間で共有財産を分け合う遺産分割協議は、相続人全員で協議しますので、誰か一人でも連絡がつかないとその時点で協議が進まないということになります。
こういった場合、未分割で取り敢えず相続手続きを行うという方法があります。
この場合のリスクとしては、各種特例を使うことなく手続きを行うため、多めに税金を支払う必要が出てきます。
しかし申告時に必要な書類を提出し、期限後3年以内に協議を確定できれば、そのとき特例を使って正式な申告ができることとなります。そして、その後納めすぎた税金が還付されることになります。