はじめに
不動産投資において最も重要視される指標と言えばやはり利回りではないでしょうか。
投資用の物件をピックアップするときにはまず利回りの数字を参考にするパターンが一般的ですし、投資家が自身の所有する物件の経営状態を把握するために利回りが用いられることも珍しくありません。
このように非常に重要視される利回りという指標ですが、最近ではどのように推移しているのでしょうか。
今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。
利回りの推移
マンションやアパートといった投資用物件の利回りは、全体的にやや低下傾向にあります。
その要因として考えられるのは物件価格の上昇でしょう。
いくらコロナウイルスの感染が拡大し、人々の生活が大きく変化したと言っても、人間が生きていくうえで衣食住が必要なことには変わりがありません。
今さら言うまでもなく、不動産投資はそのうちの「住」の部分と密接につながっています。
したがって、コロナ禍で経済には甚大なダメージが出たかもしれませんが、不動産投資業界に関してはそれほど大きなマイナスの影響はなかったのです。
このため、着実に実績を残し続けている不動産投資家も少なからず存在しています。
このような光景を目にした人たちが、不動産投資に関心を持ったとしても不思議ではありません。
それでなくても、不動産投資は近年ちょっとしたブームになりつつある状況でした。
このような状況を考えると、これまで以上にこの投資術に対する人気が高まっていることはおそらく間違いないでしょう。
そうなると、投資用物件に対する引き合いが強まることは自然な流れです。
引き合いが強まれば、物件の価格は上昇します。
利回りは年間収入を物件価格で除して算出しますから、物件価格が上昇すれば低下することになるのは自明の理と言えるわけです。
利回り低下の背景にはこのような動きがあるのかもしれません。
今後はどうなる?
今後に関してですが、利回りは低めの水準で推移していく可能性があります。
特に、東京都心部やその近辺ではその傾向が強いかもしれません。
コロナ禍当初、東京の人口は流出傾向にありましたが、その流れが逆転し、再び人口流入の動きが見られるからです。
2021年12月時点において日本におけるコロナウイルスの感染拡大はかなり落ち着きを見せてきています。
このような状況が今後も続けば、東京への人口流入はさらに加速することでしょう。
人口が増えれば、賃貸物件に対する需要も高まります。
物件の引き合いがさらに強まれば、価格も高止まりもしくは上昇傾向となるはずです。
その結果、利回りも低めの水準で推移していくことになるのではないでしょうか。
引き続き、今後の動きに注目していきたいところです。