はじめに
人が亡くなると必ず発生するのが相続ですよね。
不動産のようにプラスになるものから借金などマイナスになるものまで様々な財産が相続の対象となります。
そして、プラス・マイナスどちらの財産を相続するにせよ「何ヶ月以内に手続きを済ませたらいいのか」気になるところでしょう。
そこで相続に関する期限について焦点を当てていきたいと思います。
すべてに期限があるわけじゃない
相続と聞くと税金を連想する人も結構いると思います。
そして、税金が思い浮かんだ人の多くが次にその手続方法や期限について考えることでしょう。
確かに手続方法や期限は大事です。
とくに期限については、はっきり分かっていないと不安で仕方ないでしょう。
しかし、相続に関することすべてに何ヶ月以内といった期限があるわけではありません。
期限がある代表的ものとしては、相続の承認・放棄、相続税の申告、準確定申告があります。
相続財産がプラスになった場合にのみ相続する場合や相続放棄する場合は相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所にその旨を申し出て手続きをしなければなりません。
放棄が相続人それぞれでできるのに対し、プラスになった場合の相続は相続人全員の同意を得たうえでの手続きとなります。
「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められているのが相続税の申告です。
申告と聞くと書類を提出するだけのように思うかもしれませんが、そうではありません。
この10ヶ月以内に書類の提出だけでなく納税まで求められます。
準確定申告も同じように申告・納税をする必要があります。
準確定申告は、簡単に説明すると亡くなった人が確定申告をする必要があった場合に代わりに行う確定申告のことです。
期限は、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内となっています。
このように明確に期限が設けられているのは税に関することが主で、意外かもしれませんが、銀行にある預貯金の相続手続きや不動産の相続登記、自動車の名義変更などには何ヶ月以内といった具体的な期限は設けられていません。
でも、結局早めがいい
税に関すること以外は明確な期限はないと話はしましたが、それでも手続きは早めに済ませることをおすすめします。
理由は、先延ばし、もしくは放置のような状態にしておくと面倒なことになるからです。
例えば、故人の預貯金口座を相続手続きも何もせず10年ほど放置しておくと休眠口座と見なされてしまいます。
そうなると預貯金は、NPO法人などの活動資金に充てられてしまいます。
かといって、安易に口座の名義人が亡くなったことを銀行に伝えてしまうと口座凍結されてしまい、お金を引き出せなくなってしまいます。
ですから、預貯金口座の相続は慎重に行ってください。
不動産と自動車に関しては共通して言えることがあります。
それは、名義を変更していないと売却などの後処理ができないという点です。
とくに不動産は相続人を早めに決め名義を変更しておかないと、相続人が亡くなる事態が起こり、亡くなった相続人の相続人に話が行くことになります。
そうした事態に陥ると権利関係がややこしくなり、より一層話が進まなくなってしまいます。
こうした面倒なことにならないためには、期限がなかったとしても早めの手続きが重要です。
そして、スムーズに手続きを済ませるためには定期的に税理士などの専門家に相談することをおすすめします。