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住んでいる家を離れたくない人必見!改正された相続法とは?

はじめに

例えばAさん(男性)が住居と金銭を残し亡くなったとします。
相続人はAさんの妻とAさんの息子Bさんの2名です。
遺産の価値を調べたところ持ち家5000万円、現金が5000万円でした。
この場合、Aさんの妻は今まで住んでいた住居か、現金かのどちらかを選び片方は息子Bさんに渡さなくてはいけないのでしょうか?
そんな問題を解決するために2019年相続法が改正され、「配偶者の居住権の保護」を取り入れた権利などが新設されました。
それがどのような内容なのか、見ていきましょう。

配偶者の居住権の保護

このケースでは、今まではAさん夫妻の住んでいた持ち家5000万円と現金5000万円を息子Bさんと分けることになっていますが、Aさんの妻は持ち家を相続すると金銭の相続ができません。逆に現金の方を相続すると、持ち家に住めませんでした。(法定相続のルールにより)

しかし、今回の改正で「配偶者居住権」をAさんの妻は主張することができるようになりました。これを主張すれば終身持ち家に住むことができるようになります。

ただし「配偶者居住権」は不動産の登記簿謄本へ登記をしてから権利が認められるので、登記を忘れないように注意しましょう。

加えて、この権利は「家に住むことができる権利」であって、「家を所有する権利」ではありません。ですから、権利の資産価値も低くなり、現金などの他の資産を相続することが可能となってきます。

居住用不動産の生前贈与は特別受益対象外に

先ほどとは異なり、Aさんが亡くなる前に妻に持ち家(住んでいる家)を生前贈与していたとします。今後、これは「特別授益」として計算されるのか気になりますよね?

もし、Aさんが妻など特定の相続人にだけ多くの財産を生前贈与して、その他の相続人が相続できる資産が少ないと不公平に見えます。そのため、今まではAさんの行為(生前贈与または遺贈)は「特別受益」とされ、遺産にその額を反映してから相続分を計算していました。

そのため、「住んでいる家」自体が相続する遺産となってしまうと、配偶者は持ち家を手放すわけにもいかず(住む場所がなくなるので)、結局、金銭的な資産(現金など)を大して相続できなくなり生活に困窮するという問題が起こっていました。

よって改正後は
「婚姻期間が20年以上である夫婦の一方(ここではAさん)が他方(Aさんの妻)に対し、居住用の建物やその敷地を贈与または遺贈した場合、持ち戻し免除の意思表示があったものと推定される」となりました。

つまり、住んでいた家は相続分の計算には入れないこととしたのです。
そうすることで配偶者の居住に関する不安を解消し、その生活を守ることができるようになりました。

配偶者短期居住権の新設

改正前の内容だと、住んでいる家も相続の資産対象となるので相続した人が配偶者をその家から追い出すことが可能という問題がありました。
この問題が発生すると、生活費どころか住む場所にさえ窮してしまいます。

そこで「配偶者短期居住権」というものも設けられました。
これは、被相続人が亡くなっても相続開始後6か月間か、遺産分割協議が済むまで配偶者が住むことができる権利です。

例えば被相続人が遺言書などで「自宅を第三者に渡す」と書いてあった場合、今までは相続発生と同時に配偶者が自宅に住めなくなるという可能性があったのです。
しかし、この権利を行使すれば、遺産相続の話し合いをしつつ新たな住居へ移る期間が保障されるようになりました。

この配偶者短期居住権と配偶者居住権は2020年4月からの施行となっています。
まだ施行されているわけではないので、今後どのような問題が起こるか不明な点も多々あります。
ですから、もし近々相続の話がありそうなら早いうちに弁護士などのプロに相談することをおすすめします。

33cf43a355640b9127b15805d596924c_s土地を相続した場合の分筆登記について

67 (4)相続法が大きく改正されました!その内容とは

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